このブログに記事を書き始めてかれこれ9年ほど経ちますが、当時とくらべニューヨークの不動産マーケットは大きく様変わりをしました。

特にここ数年の変化は大きく、それは単に不動産価格の変動ということだけにとどまらず、購入者・居住者の意識やライフスタイル、金融環境、競争環境、エリア開発環境など、ニューヨークの不動産マーケットに内包されるおおよそ全ての要素がシフトしているように感じます。

そこで、今回から数回にわたり、あらためて現在のニューヨークの不動産マーケットを前提に、「ニューヨークで初めてのマイホーム購入」、ということについて広く考えてみたいと思います。

マイホームを購入することの意味

ニューヨークにある程度長期的に滞在する、あるいはニューヨークに移住する場合、マイホームを購入することには以下のような面で大きな意味があります。

  1. 生活に安心と安定をもたらす
  2. レンタルリスクからの脱却ができる
  3. コミュニティーへの帰属感が生まれる
  4. 資産形成上のメリットがある

それぞれの項目についての詳細は、以前に書いた記事、「買うこと」のメリットというページをお読みいただければと思いますが、現在の不動産マーケットにおいては、これに加えて、「生活を守るために購入する」という側面が非常に強くあるように感じます。

これは、上の項目で言えば、1,2,4 を合わせた意味合いともいえますが、例えば医療費や学費、訴訟などのトラブルに対する費用など、ニューヨークに限らず米国では日常生活における経済的リスクが高くなっている傾向にあります。

このような一家の屋台骨を揺らすようなリスクに直面した場合、自宅がマイホームであるか賃貸であるかにより、状況や選択肢は大きく変わってくることになります。その意味において、家庭を守るための城壁を持つ意味で、マイホームの購入をされる例が増えています。

何を購入するのか?

ニューヨークで実際にマイホームを購入する場合の選択肢は多くの場合、①コープ、②コンドミニアム、③タウンハウス/一軒家ということになります。

もしどのタイプの物件でも購入可能なのであれば、コンドミニアム、あるいはタウンハウス/一軒家を購入することが、購入後の自由度・選択肢という意味で、コープを購入するよりも利があることは確かであり、実際、できればコープは避けたいという話も耳にします。

しかし、コンドミニアム(あるいはタウンハウス/一軒家)は、コープと比べて圧倒的に高額です。

そして、その価格差は近年ますます開いており、コープであればより広く、ロケーションの選択肢も広がるという傾向は以前にも増して強くなっています。

物件の広さはそのまま、ライフスタイル変化への対応力や保有年数に直結する要素であり、またロケーションも単に利便性だけではなく、例えば学区などの問題にもつながってきます。

その意味では、前述のようなマイホーム購入の意味や理由を考慮した場合、マイホームとしてのコープの価値をポジティブに捉え直すことは、特にはじめてのマイホーム購入においては非常に大切であると感じます。

次回は、NYC特有の居住形態ともいえるコープについて再考してみたいと思います。