冷え込む日が続き雪の予報も出始めているニューヨーク、街もいよいよ年末という雰囲気になってきました。

さて、前回に引き続き、ここ数年で大きく変化した不動産マーケットやニューヨークにおける生活環境・価値観を前提とした、マイホーム購入についてのお話ですが、コープの話を書く前に、今回は現在のニューヨークの不動産マーケットについてお話ししたいと思います。

まず、現在のニューヨークの不動産マーケットは、全体としてはバイヤーズマーケットにやや傾いた状態になっています。

もちろん不動産マーケットというのは、具体的なエリアや物件タイプ、あるいは物件サイズなどのセグメントによって、大きくマーケットの様子が異なるため、これはざっくりとしたマーケット全体の雰囲気ということになりますが、昨年比較的動きのあった2018年と比べてマーケットがさらにスローダウンしている状況であり、その傾向はまだ当分続くものと予想されています。

特にニューデベロップメントは、2018年と比べ、多くのプロジェクトが苦戦を強いられており、2018年と今年のデータを比べると、物件販売までの日数が一気に長くなっていると共に、価格交渉に対する余地が今年に入りさらに広がっていることがわかります。特に高額物件についてはその傾向が顕著であるため購入についてはじっくり考えたいところです。

これに対してリセールマーケットは少し様子が異なります。というのも、ニューデベロップメントはデベロッパーが利益のために販売するのに対し、リセール物件は個人的な理由や感情が販売に大きく影響するためです。

リセール物件のマーケット全体を見てみると、売却が完了するまでの時間は以前よりかかっているものの、販売価格の中央値は昨年よりも若干上がっており、今年に入って大きく下がったニューデベロップメントとは袂を分かつ動きをしています。

ただ、リセールについても、例えば価格交渉についてのデータを見ると、コンドミニアムの場合、Last Asking PriceとSales Priceの差が、マンハッタンで4%、ブルックリンで2%、クイーンズで5%という状況であり、この数字は何れも昨年より約1%程度交渉幅が増えたことを表しています。

但し、エリアに関してはマンハッタン、ブルックリン、クイーンズという大きなくくりで見た場合と、それぞれの細かいエリア(neighborhood)を見ていった場合とでは差がありますので注意が必要です。

これを部屋数で見た場合、Studio、1-Bedroom、2-Bedroom、3-Bedroom以上の中でマーケット全体としては、Studioや1-Bedroomなどの小型の物件に比べ、2-Bedroom、3-Bedroom以上の大型の物件が、昨年と比べより大きく下げています。

しかし、クイーンズは例外であり、Studio、1-Bedroomの小型のコンドミニアムも、大型の物件同様に大きな下げ幅を見せています。

部屋数はそのままそこで暮らす人の人数につながるため、部屋数の差はライフスタイルの差であるとも言えますが、スローダウンしているとはいえ高額となった物件に対して例えば、2-Bedroomを諦めて、1.5-Bedroomを購入するというようなダウンサイジングの影響もあるのではないかと思われます。

2020年もこの傾向が続く、あるいは一層強くなる可能性があることを考えると、購入の仕方は熟考する必要があるものの、マーケットそのものは以前よりもバイヤーに味方しているため、以前よりも初めてのマイホーム購入がしやすい状況が続きそうです。