先週は記録的な暖かさの日が続き、このまま冬が終わるのではないかとさえ思いましたが、今週はまた朝晩しっかりと冷え込んでいるニューヨークです。

現在のニューヨーク不動産のマーケットについて前回お話ししましたが、現在の足踏み傾向にあるニューヨークの不動産マーケットですが、やはり高価格であることには変わりなく、また今後大きく下がっていくということも考えづらいことから、購入者による購入物件の再定義が進んでいっていることを感じます。

その筆頭が「コープの見直し」です。

マイホーム購入にあたっては、自然にコンド(コンドミニアム)と考え、コープについては検討していなかったという話が多かった中、コープの可能性について積極的に考え、見直し、マイホーム、特に最初のマイホームとしてコープを購入したいという話が多く聞かれるようになってきました。

その理由はいくつかありますが、やはりなんと言っても、コープとコンドの価格差です。例えば、昨年第四四半期の数字で比べてみると、1sfあたりの価格は以下のような開きがあります。

1SF あたりの物件価格

コープ vs コンドでは約30-50%の開きが、またマンハッタンのニューデベロップメントに至っては、コープの約倍の価格となっていることがわかります。

昔と異なり、ニューデベロップメントを購入して10年たったら2倍、3倍になる・・・などという楽観的な状況ではない現在のニューヨークの不動産マーケットでは、いくらビルディング自体のアメニティが充実しており、今時のモダンなデザインであるとはいっても、このような高額なコンドミニアムを最初のマイホームとして購入する必要があるのか?と考えるのは当然といえます。

このことは、特にコストの高い土地買収を行ったニューデベロップメントに対して売れ残り傾向が強くあらわれると共に、他の選択肢、つまり中古コンドマーケットとコープに対する見直し熱が高まる結果を招いています。

また、コープ自体の変化もこの傾向を手助けしています。

モダンなデザインや最新のアメニティを装備するコンドミニアムに対抗する形で、リノベーションやアメニティの充実を行うコープが増えてきています。

コープの多くは80年代半ばにレンタルビルディングからコープにコンバートされており、もともとそのようなアメニティは持ち合わせていなかった訳ですが、ルーフデッキやジム、バイクルームやオーナーズラウンジなどを増改築し、魅力と価値を高めているコープが目につくようになりました。

さらに、コープ売買につきものであるボード審査についても変化が見えてきています。

これまでですと、ボードから要求される書類を懸命に集めて電話帳のようなボードパッケージを6-8セットも作ってボード審査に臨んでいた(これはバイヤーズ・エージェントの仕事ですが)わけですが、ボードパッケージプロセスのオンライン化が進んでおり、プロセスそのものもわかりやすく透明化されてきています。

もちろんこれらの傾向は同じコープとは言ってもビルディングにより全く異なっており一概にはいえませんが、現在のマーケット環境を鑑みた場合、同じ資金を一体何に対して支払うのかという文脈の中で、コープというものを選択肢の一つとして真剣に考えてみるということは、以前にも増して意味があることになってきています。