2012.1.19

W/Dは賃貸アパートのキラーアイテム

ようやくうちの娘の学校が決まったことで引越し先探しも決着し、2月からの新しい生活の準備を始めています。

今日はLandlord、つまり大家さんからの視点でのお話しです。

冬場のこの時期はレンタルシーズンというわけではありませんが、年々競争の激しくなる公立学校の席取りを反映してか、レンタル物件探しをしているという方が昨年の同時期より多いように感じます。

ただ一般的にニューヨークでは、冬場のレントは春や秋と比べ低くなります。

これは需要と供給バランスが変化することによる単純な季節変動で、多くの人がアパート探しをしている時期にはレントは上がり、そうでない時期には下がるというわけです。

それを考えると大家さんにとっては、春もしくは秋にちょうど今のテナントさんのリースが切れて、次のテナントさん探しをするというのが理想的ですが、現実的には中々そうもいかず、様々な理由でこの時期にテナントを探されている大家さんも多いはずです。

テナントが途切れる期間というのは物件の修繕やアップデートをするよいチャンスなわけですが、修繕はともかくアップデートに関しては注意が必要です。

というのも大家さんにとって物件のアップデートというのは「素敵なアパートにする」というような抽象的なものではなく、賃料に反映可能な物件価値の上昇が目的であるべきだからです。

Where Do You Do Laundry? (Photo and link from apartmenttherapy.com)

そこで問題になるのがどんなアップデートが賃貸物件としての価値を高め、それを直接レントに反映できるかということですが、なんといってもキラーアイテムはW/D (Washer and Dryer)、つまり洗濯機&乾燥機です。

これまでのニューヨークの不動産マーケットでは、所謂Pre-War ビルディングを中心にW/Dが付いていないアパートがほとんどでした。

ところがここ数年、こうしたビルディングのリノベーションが進むと共に、W/Dがユニット内に付いたニューデベロップメント(新築物件)が急速にマーケットに浸透しました。

これに伴いニューヨーカーもW/Dがユニット内もしくはビル内に付いた生活をする機会が増えレンタルマーケットでもW/Dのニーズが非常に高くなっています。

しかしレンタルマーケット全体を見るとW/D付の物件というのはまだまだ少なく、大きな付加価値を生んでいる原因となっています。

ということで、賃貸アパートの付加価値を高めるためにはまずW/Dの設置。

とくに2ベッドルーム以上の物件でテナントが家族である可能性が高い場合には、ユニット内にW/Dがあることは大きなセールスポイントであり、同じエリアにある同サイズの物件と比べ、賃料の上で十分に差をつけることが可能です。

ただし、対象となる物件がコンドの場合には、W/Dのユニット内インストールを禁止しているビルディングもありますので、インストールの前にマネジメント会社に問い合わせる必要があります。ちなみにこれは、投資用コンドを購入する際に注意するポイントでもあります。

W/Dなしでどうやって生活してるの?
ニューヨークにすんだ経験がない方は驚くかもしれませんが、実は普及してきたとはいってもW/D付の物件はマーケット全体からするとまだまだ少数で、レンタルアパートの大半、また購入する場合でも多くの物件にW/Dが付いていません。

大型のビルの場合には、ビルの地下にランドリールームと呼ばれる、日本で言うところのコインランドリーのような部屋があり、そのビルの住人が共同で利用しますが、こうした設備がないビルも多く、それを反映し、ニューヨークには街中にコインランドリー(こちらではLaundromat: ランドロマットと呼ばれます)があります。

ということで多くのニューヨーカーは、洗濯物の入った大きなバッグを担ぎ、ランドロマットとアパートを往復するという生活を送っています。

ただこうしたランドロマットの多くは、洗濯物のピックアップサービスを提供していますので、自宅にピックアップに来てもらい、洗濯して畳まれた洗濯物がまた自宅に届けてもらう事も可能です。