まずマイホームを持つこと、つまり自分自身や家族が住む場所をニューヨーク(もちろんオススメはブルックリン!)に購入することのメリットをいくつかの側面から考え、その意味と意義を再確認してみたいと思います。

安心と安定

コンドでもコープでもタウンハウスであっても、とにかく持ち家に住み始めると毎日を暮らす上での安定感が変わります。圧倒的に足元が安定した感覚といったらいいでしょうか。文字通りあなた自身の家なわけで、もちろん大家さんは存在しません。

レンタルアパートで暮らすときの大家さんの存在はプラスにもマイナスにも働くものですが、やはり何かと面倒だったりトラブルの原因だったりするのも否めない事実であり、特にそういった交渉ごとに慣れていない場合にはストレスの原因にもなります。家を購入することでこうした全ての「大家さん」にまつわる面倒から開放されるわけです。

レンタルリスクからの脱却

例えば分かりやすく1ドルを100円として考えたいと思います。現在の家賃が2500ドルだったとすると、1年間で支払う家賃の合計は3万ドルつまり年間約300万円となり、この生活を5年間続けた場合あなたは1500万円の現金を大家さんに渡すことに、また10年でなんと3000万円のキャッシュが大家さんの手に渡る計算です。

あなたは知らないうちに大家さんの住宅ローンを大家さんに代わりに支払っているわけで、これがレントを払い続けるということの意味でもあり、仕方ないこととは重々分かりながらも、やはりもったいない感は否めません。ということで、このような支出を喰い止められるのもマイホーム購入の大きなメリットであるというわけです。

コミュニティーへの帰属感

またホームオーナーになった瞬間から地域に対するつながりや連帯感も生まれてきます。これは単に感覚的なものだけではなく、例えばコンドやコープの場合、そのビル内のオーナーが様々な企画を行うことで連帯感をつくりだしていることが多くあります。

例えばボク自身が住んでいるコンドでも、サマーパーティーやハロウィーンコスチュームコンテスト、クリスマスパーティや子供達のお誕生日会など、同じビル内のコンドオーナーが集まり毎年様々なイベントを実施してビル内の連帯感をつくっています。

勿論これらは自由参加ですし、こうした活動をを全く行わない今度やコープも数多く存在します。ちなみにタウンハウスの場合にはそのブロックに家を持つオーナーで作るブロック・アソシエーションが行なうブロック・パーティーと呼ばれるイベントなどがあります。

また公立学校が地域内の不動産所有者が収める税金(Property Tax)によって運営されていることも忘れてはいけない地域へのかかわりです。

資産形成面からのメリット

レントを払い続けることで生まれる出費と、それを喰い止めることが出来るのがマイホーム購入のメリットであることは先に述べましたが、資産形成という側面から見たマイホーム購入のメリットはそれにとどまりません。

以下最も一般的な資産形成上のメリットについて触れてみたいと思います。ただし不動産購入と資産形成の関係はその他の様々な事柄によって変化しますので、ここではあくまで一般的な可能性ということでご紹介いたします。

節税効果

例えばレンタルアパートのために支払っている家賃には全く税制上の特典がないのに対し、マイホームをモーゲージを利用して購入した場合、そのモーゲージの利息部分の支払いは所得からの控除が可能です。

つまり同じ額を毎月家賃として支払っているのと、モーゲージの利息として支払っているのとでは、タックスリターン(確定申告)時に戻ってくる金額が全く異なってくる(税金が多く戻ってくる)可能性が生まれてくるわけで・・・このことが同じ年月をレンタルで過ごした場合と、持ち家で過ごした場合での資産に大きな差として現れます。

クレジットスコアー

一般的にモーゲージは生涯を通して発生するであろう借金の中では最も金額の高い借金の一つです。この月々のモーゲージをしっかりと支払い続けることは、アメリカ社会において非常に強い影響力をもつクレジットスコアーを強化することにつながります。

不動産価値の上昇とエクイティ

近年の不動産バブルの崩壊は不動産に対する過剰なまでの投資熱に対する警鐘となりましたが、特に世界中からバイヤーが集まるこのニューヨークという街ではやはり不動産は資産として絶対的な地位を持つものの一つです。

短期的な利ざやを稼ぐような投資本意の不動産売買は本題からそれますので、割愛しますが、長期的な意味での不動産の資産価値については、売買益だけではなく、エクイティ(日本語では含み益)をうまく活用することで、その資産価値の可能性は非常に大きく膨らみます。