いま考えるニューヨークで初めてのマイホーム〈中編〉
ニューヨークではDaylight Saving Time(夏時間)がスタートし時間が1時間繰り上がりました。最近は多くの時計が自動的に時間調整を行うためDaylight Saving Timeのスタートを意識しづらくなった気がしますが、個人的には1日が長く、仕事を終えてもまだ外が明るいのはとても嬉しく、春の訪れを実感する要素でもあります。
前回は現在のマーケットをベースに考えるニューヨークでのマイホーム購入ということで、500K以下の物件、500-800Kの物件という2つのプライスレンジについてお話ししましたが、今回はその続きとして、800K-1.2Mの価格帯についてお話ししたいと思います。
800K-1.2Mの価格帯
前回のポストにも書きましたとおり、モーゲージを使い800Kの物件を購入するための必要条件はダウンペイメント 160K(20%)と640Kのモーゲージを組むために必要な世帯年収が約165Kとなります。これに対して1.2Mの物件の場合、240Kのダウンペイメントと最低限必要な世帯年収は250K(800Kのモーゲージを組むための条件)となります(共にインタレストレートが6%の場合)。
もちろん年収が250Kに満たない場合でも頭金の額を増やすことで1Mの物件の購入が可能となります。例えばタウンペイメントを500Kおける場合、必要な世帯年収は約195Kとなります。
一昔前であれば、この価格帯の場合アパート(コンドミニアム、コープ)だけではなくタウンハウスの購入も視野に入れることが可能でしたが、タウンハウスの価格が大きく上がってしまった現在、この価格帯のタウンハウスを見つけることは(極端に小さい物件あるいはコンディションやエリアを選ばなければ不可能ではないものの)非常に難しいため、アパートメント(コンドもしくはコープ)の購入が現実的となります。
物件についてですが、現在のマンハッタン、ブルックリン、クイーンズの売り出し状況を見ると、1ベッドルーム、2ベッドルーム共に約700件が売りに出されています。この価格帯で1ベッドルーム?と思われるかもしれませんが、マンハッタンを中心に販売されているラグジュアリーコンドミニアムには1M台の1ベッドルームアパートメントが数多くあります。
物件の内訳は1ベッドルームの場合700件のう450件がコンドミニアムであり、2ベッドルームの場合は360件がコンドミニアムとなっています。もちろんエリアによりコンドミニアムとコープの割合は大きく異なりますが、この価格帯であれば物件の数的にも1ベッドルーム、2ベッドルーム(エリアによってはそれ以上)の物件を見比べて購入することが可能です。
ただしこの価格帯に関しては、全体の予算が大きいだけに資金の準備については十分な注意が必要です。特にニューヨークに初めて購入するマイホームという事であれば、モーゲージが使える事がわかったとしても、ダウンペイメント以外の諸費用のためにに準備しておかなければならない額をあらかじめしっかりと把握した上で、引っ越しにかかる費用やリノベーション費用などについても事前に検討を重ね、準備しておくことが大切です。
次回は1.2M以上の物件とタウンハウスマーケットの現状についてポストする予定です。