レンタルアパートと一口でいっても実は数多くの種類のアパートが存在します。ここではニューヨーク(主としてブルックリン・マンハッタン)で借りることのできるレンタルアパートの種類をいくつかの観点から分類してその特徴を挙げてみたいと思います。
契約期間による分類
ショート・ターム(短期間契約)
不動産業界では、6ヶ月未満の期間で契約をするアパートをよくショート・タームと呼び、通常のアパート(1年以上=ロング・ターム)と区別します。
基本的にショート・タームのアパートには直ぐに生活が始められるように家具が備え付けられている(Furnished: ファーニッシュド)場合が多くビジネスユースを中心とした需要があります。
これらのショート・タームレンタルは米系大手の不動産会社では大体扱っているほか、ショート・タームのみをを専門的に扱う不動産会社も何社か存在します。またレントに関して言えば、リースが短期間であればあるほど高く、また家具付と家具なし(Unfurnished: アンファーニッシュド)では家具付のほうが割高となります。
ロング・ターム(長期契約)
ロング・タームといってもオフィスリースのように10年などというわけではありません。6ヶ月以下のショート・タームに対し使う言葉です・・・とはいってもあまり一般的には使いませんが。
住宅用のレンタルアパートでは1年~2年の契約を結ぶわけですから、一般的な住宅用賃貸アパートのほとんどがこのロングタームあたります。ショート・タームのアパートには家具付が多いのに対し、一般のアパートのほとんどは家具なし(Unfurnished)のアパートになります。
ちなみに多くの方が利用する一般的なレンタルアパートの場合、通常は1年、もしくは2年の契約となりますが、景気の悪化により下がった家賃を、景気が上向きになったら元に戻したいというオーナーの意向が働いているせいもあり、ここ数年2年契約のオプションがあるアパートは減少傾向にあります。
ビルの規模による分類
大型のレンタルビルディング
大規模なレンタルアパートビルディングの場合には、部屋を貸すことが事業ですから、基本的には入居後はリースを更新することで長期間住み続けることが可能です。このようなビルの場合には、契約当初から2年契約を選べる場合や、次年度契約時にレント(家賃)がいくら上がるのかが契約書に予め明記されている場合もあり、長期的に住むという意味では安心感の高い物件となります。
ただし、ブラウンストーンに代表される天井が高くオリジナルディテールが残ったニューヨーク特有のアンティークビルディングの味わいは残念ながら大型のレンタルビルディングはほとんどありません。
個人オーナーの小規模ビルディング
小規模な個人オーナーの物件、特にブルックリンで言えば4世帯以下のタウンハウスの場合、個人オーナーである場合が多いため、オーナーの個人的な都合により契約更新できるか出来ないかが決まるとういのが現実です。例えば急に親戚を住まわせなければならなくなった場合や建物を売る場合など、契約中に追い出されることはありませんが、次年度の契約が更新できないことは珍しくはありません。
マネージメント会社が管理している大型のレンタルビルディングとは異なり、アパートを管理している管理人(Landloard: ランドロード)はオーナー自信である場合が多く、当然ランドロードとの人間関係が住みやすさに影響を与えるわけで、いい意味でも、悪い意味でもこれが小さなレンタルアパートに住む醍醐味といえます。
コープには注意! レンタルアパートメントは、たとえオーナーが個人であっても企業であっても、元々レンタルすることを目的として存在する部屋である場合がほとんどなのですが、中には「コープ」と呼ばれる特殊なオーナーシップの物件も存在します。コープがレンタルアパートとして貸し出される場合、1年以上の契約の更新が出来ないことや、居住に関する様々なルールなどがある場合が多く注意が必要です。