ブルックリンを含めニューヨークのレンタルアパートというのは非常に早いスピードで動きます。特にレンタルシーズンと呼ばれる春(4月から7月)と秋(9月から11月)は引越しのピークシーズンであり、新しい物件がマーケットに出るとその日のうちに借り手が決まるということも珍しくありません。

常に世界中の人が集まり需要が途切れないニューヨークでは、アパートを探す側も「気に入ったアパートが見つかったらすぐに契約」を基本として動いているということです。

しかしここで一つ問題が起こります。

多くのアパートは Immediate Occupancy つまり即入居可の状態でレンタルマーケットに出されるため、契約を交わすとすぐにレント(家賃)が発生してしまうわけです。例えば3ヶ月後に引越しをしたいと思っている場合、契約したらすぐに家賃が発生するため、新しいアパートの家賃と現在のアパートの家賃の両方を3ヶ月間払い続けなければならないという「レントの二重払い」というが発生してしまいます。

ではそれを避けるために、即入居可のアパートをレンタルする契約をする際に、「3ヵ月後の引越しに合わせて家賃の発生を3ヵ月後からにしてくれないか?」という交渉が成立するかというと、残念ながらその可能性は限りなくゼロに近いというのが実情です。

もちろんレントの2重払いをしても全く問題ないという場合には構わないのですが、そうでない場合にはこの状況を前提としてアパート探しを始める必要があるわけです。

その意味では、引越しをしたいと考えている約1ヶ月前からアパート探しを始め、2週間程度で物件を決定し契約するのが一般的なタイムテーブルといえます。

これであれば引越しまでの期間は約2週間ですから、その分を日割り家賃で支払う場合でも負担は少ない上、場合によっては引越し日まで家賃の発生を待ってもらえるような交渉の可能性も生まれてくるというわけです。

少しでも早くからはじめたい気持ちは分かりますが、マンハッタン・ブルックリンでのアパート探しは1ヶ月前からが基本。これは是非おさえておきたいポイントの一つです。

ただし以下のような場合は通常よりアパート探しと契約までに時間がかかる可能性があります。

  • ペットがいる場合:特に犬は要注意。特に中型犬以上や複数頭いる場合にはかなりの時間と出費を覚悟してください。猫の場合にも注意が必要ですが、犬と比べると若干寛容な場合が多くなります。詳しくは「ペットと暮らす」をご参照ください。
  • 不動産エージェントを使わない場合:特にアパート探しや貸主との直接交渉の経験があまりない場合。
  • 日本から初めてアメリカに引っ越してくる場合:条件さえ満たせば時間そのものはかかりませんが、色々な意味で制約の多いアパート探しになりますので注意が必要です。詳しくは「ニューヨークに初めて暮らす」をご参照ください。
  • Live/Work スペースを探す場合:数多くのことに注意が必要となります。時間とお金には余裕が必要です。詳しくは「Live/Work スペースを探す」をご参照ください。
  • クレジットヒストリーがない:1年分の家賃を現金で先払いできる場合は別ですが、難易度の高いアパート探しとなります。詳しくは「クレジットヒストリーの重要性」をご参照ください。
  • その他の事情:Section 8 をはじめ、様々な理由により通常より時間を見込んでおかなければならない場合があります。個別の事情の相談はお気軽にご連絡ください。

レンタルシーズン 4月~6月と9月~11月をボクら不動産エージェントはよくレンタルシーズンというふうに呼びますニューヨーク中で引越しの話が聞かれ、多くの人がアパート探しのために不動産会社を訪れる時期でもあり、よい物件がマーケットに出るとその日のうちになくなる・・・ということも珍しくありません。レンタルシーズン以外のシーズンには競争率は低くなりますが、レンタルマーケットに出る物件の数も少なくなります。