アルコブ・ステュディオ
ステュディオというのはStudio のことであり、日本語で言えばスタジオ。英語読みのカタカナ表記でステュディオと書きました。
米国不動産でステュディオ・アパートというのは日本で言うワンルームマンションにあたり、玄関ドアを開けるとそこには長方形もしくは正方形に近い一部屋があり、その部屋内にキッチンから何から全てが含まれ、バスルームが角についているようなスタイルの部屋を指します。つまり図面で見るとこんな感じです。
つまり、部屋に入った瞬間に部屋の全てが見渡せるわけです。
一般的にステュディオ・アパートと言われた場合、キッチンやバスルームを含めた全ての広さは大体400-500SqFtを考えることが多いように感じますが、ステュディオには広さの制限はありませんから、実際にはロフトタイプのアパートメントのような非常に広いステュディオもあれば、マンハッタンなどでよく見かける300SqFt台の非常に狭いタイプも存在します。
ただやはり玄関ドアを開けた瞬間に、ベッドからなにから全て丸見え状態というのはなんとなく気持ちも落ち着かないという人も多く、ただだからといって1ベッドルームのアパートメントは、賃貸にせよ購入にせよ割高になるため・・・
「できれば1ベッドルームが理想だけど、アルコブだったらステュディオでもいいです」というような話しはよく出ます。
アルコブというのはアルコブ・ステュディオ(alcove studio)の略であり、ニューヨークに限らず米国で使われる建築・不動産用語で、スタジオアパートメントでありながら部屋がL字型になっている以下のようなタイプのアパートを指します。
この部屋はステュディオではありますがL字型をしているため、玄関ドア(右下)を開けて部屋に入ると、左側のバスルーム前のスペースは死角となり隠れることになります。このようなタイプのステュディオアパートメントをアルコブ・ステュディオと呼ぶわけです。
この部屋のように死角となるスペースにベッドをおけるようなレイアウトとなっている場合、そのスペースをスリーピング・アルコブと呼び、逆にキッチンが引っ込んで死角になっている場合にそのキッチンのことをアルコブ・キッチンと呼んだりします。
たかが死角、されど死角。スペースの限られたニューヨーク生活において、このちょっとした違いが、ライフスタイルに大きな差をもたらすこともしばしばです。