頭金20%以下で不動産を購入する方法はありますか?
ニューヨークで不動産を購入しようとした場合、まず最初の関門となるのが頭金だと思います。頭金については「頭金はいくら必要か?」の項でも簡単に説明しましたが、購入金額の20%というのが一つの基準になっています。
具体的に考えてみると、例えば$500,00ドル(以下500K)の物件を購入する場合、その20%というのは$100,000ドル(以下100K)となるわけで、これを現金で用意しなければならないというのは、多くの人にとってかなりの負担となります。
このような実情から「頭金がないから家を買いたくても買えない・・・」というような声が上がってくるわけですが、頭金が20%用意できなくても銀行からのモーゲージを借りて物件を購入できる方法がいくつかあります。
この代表的な方法がFHA (Federal Housing Administration) の利用であり、これを利用することで3.5%の頭金だけで物件の購入が可能になります。
FHAは米国政府機関である連邦住宅局が住宅購入のための融資に対し保証を行う制度(言ってみれば保険制度)です。これにより実際に融資を行う銀行側は、たとえ借り手が破産したとしても、政府が全額を支払ってくれるという仕組みであり、ある意味リスクフリーで住宅融資をすることが可能となり、また借り手側は3.5%の頭金のみで住宅の購入が可能となります。
上記の$500Kの物件であれば、普通$100K必要なところが、$17,500ドル(1万7千5百ドル)のみでOKとなるわけですから、その差は$82,500ドル!大きいですよね。
というわけでFHAは「頭金さえなければ買えるのに・・・」という場合には魅力的な選択肢となるわけです。
ただし「頭金はいくら必要か?」の項でも書きましたが、ドローバック(欠点)はあります。例えばFHAはニューヨークに多いコープビルディングには使うことができません。またコンドに使用する際には、そのビルディング全体がFHAの認定を受けている必要があり、その後借り手の審査を経てはじめて利用可能となります。
タウンハウスに関しては4世帯までのものであれば使用可能ですが、5世帯以上が入るビルディングや、一部に商業スペースが入っている物件、また住むためにはメジャーなリノベーションが必要なようなコンディションのわるい物件には認められません。
しかし何といっても最大のドローバックはPMI (Private Mortgage Insurance) を払わなければならないことです。
例えば500Kの物件の例で言えば、頭金が$17,500 (3.5%)となり残りの額である、$482,500が融資金額とした場合、年間のPMIは融資金額の0.5~1%ですので、毎月数百ドルがPMIへの支払い負担となります・・・結構な額ですよね。
ということで、「頭金20%以下で不動産を購入する方法はありますか?」と質問されると「はい、あります」とはお答えしますが、実際のFHA利用に際しては様々なことを考えることが必要です。
FHAが利用できる物件の情報なども含め、ご興味がある方やご質問がある方はお気軽にご連絡ください。