2011.9.26

タイトな新築物件マーケット

9月に入ってから驚くほど忙しい日々が続いており、ブログの更新ができませんでした。

特に今年の秋はニューデベロップメント(新築分譲物件)を中心に非常にマーケットに活気があり、今週末のNew York Times の記事’New Condos: ‘Survivor’ Edition’にもあったとおり、品薄感があるニューデベロップメントでは、デベロッパーが一切の値引き交渉に応じない例が多く見られます。

先日Bed-Stuy ある人気のニューデベロップメント315 Gates Ave (場所は限りなくClinton Hill よりのBed-Stuy)の成約を頂いたのですが、このビルのデベロッパーであるSelect Holding も購入物件のサイズや価格にかかわらず値引き交渉に一切応じません。

通常ニューデベロップメントはその販売スケジュール内のいくつかのポイントで価格交渉度合いを変化させます。

まず最も価格交渉に柔軟なのは販売直後。販売実績を作るためとモーゲージ利用に必要な成約・販売率を確保するために値引き交渉に対して比較的柔軟に応じます。

その後、購入者がモーゲージを利用できるだけの成約・販売率を目指しセールスが続きますが、一旦このパーセンテージを超えると、価格交渉の柔軟性は低くなります。

手頃な価格でアメニティが充実している315 Gates Aveでは毎週数組の成約が続いている。

一般的には販売・成約率で51%が一つの目安ですが、モーゲージレンダーとデベロッパーの間で特別な契約が結ばれている場合、より低い販売・成約率でモーゲージを利用した購入が可能になる場合もありますので注意が必要です。

そして、販売・成約率が70%を超えたあたりから、価格交渉の柔軟性はかなり低くなり、残りユニットが少なくなった段階で、値上げをはじめるデベロッパーも多く見られます。つまり、販売初期に行ったディスカウントを取り戻そうというわけです。

このような流れで変化するニューデベロップメントのネゴシャビリティですが、New York Times にもあるように、ニューデベロップメントの在庫数が少なくなっている現在、上記のような流れを全く踏まずに、強気に販売しているデベロッパーが非常に増えてきています。

特に来年は新しいニューデベロップメントのリリースが少ない年になることが予想されていますので、景気の動向にもよりますが現在のマーケットが続くようであれば買い手にとってはさらに厳しい状況になるかもしれません。