ようやく10%の頭金でもローンが組みやくすなってきました。
「ここ1年審査が厳しかったPMIモーゲージの基準が緩和されつつあります」 こう書くと???と思われるかたも多いかと思いますが、言い換えると、「20%以下の頭金での住宅購入に対するローン利用の基準が緩和されつつあります」ということになります。
一般的に頭金を購入額の20%以下にしてモーゲージを組もうとした場合、レンダー(銀行や住宅ローン専門金融機関などお金の貸し手)は、リスクが高い取引と判断するため、「リスクを排除するための保険をかけろ」と言ってきます。
この保険はPMI (ピー・エム・アイ: Premium Mortgage Insuranceの略)と呼ばれ、モーゲージを使う際に、借り手であるホームオーナーにこの保険に入らせることで、借り手が破産したとしても、銀行への支払いは保険によりカバーされるというわけです。
このPMIを利用して組むモーゲージ、つまり頭金20%以下で組まれるモーゲージを俗にPMIモーゲージと呼びます。
しかしこのPMIモーゲージ、実はリーマンショック以降は審査の基準が非常に厳しくなり、利用するのが非常に難しい状況でした。実際のところ20%以下どころか、25%や30%の頭金がないとローンが組めないという話しもよく聞きました。
ところが最近になってその状況が改善されつつあり、10%の頭金でもローンにOKを出す銀行が増えてきました。つまり基準が緩和されてきたというわけです。
例えば50万ドルの物件購入を考えた場合、20%の頭金というと10万ドルですが、10%であれば5万ドルなわけで、非常に大きな差があります。金利も不動産価格も下げ止まりしている今がマイホーム購入のチャンスとはわかっていても、頭金が足りなくてあきらめていたという方には、10%の頭金というのは大きな魅力です。
さらに実際は、10%のうちの半分までは親族などからによる贈与の利用が可能です。つまりこの場合で言えば、純粋な自己資金は2万5千ドルのみで、50万ドルのマイホームを購入するためのローンを組むことが可能というわけです。
もちろんPMIモーゲージの利用には、月々の支払い額のや購入物件の選定、将来PMIを外せる可能性のことなど注意しなければならない点はいくつかありますが、最大の注意点は、利用を決めたら絶対に銀行に直接ローンの申し込みに行かないということです。
銀行直でアプライした場合、残念ながらローンがおりる可能性が低くなってしまうからです。
テクニカルな話しは割愛しますが、これは銀行が利用するPMIの保険会社が契約により縛られていることに起因します。
大雑把に言えば、PMIの審査はそれを扱う保険会社により基準が異なるため、物件の種類や状況により保険会社を注意して選定する必要があります。
しかし銀行はそのようなことは全く考えず、どんな物件であっても自社の契約しているPMIの保険会社に機械的に流してしまいます。
結果として審査が通らずローンがおりないことが多くなるわけですが、困ったことにこの審査結果が知らされるのは、膨大な書類の処理や銀行の審査などが全て終わり、クロージングも間近という状況になった土壇場なのです。
ですのでこれを回避するためにも、銀行直ではなく、腕のよいモーゲージブローカー利用するのがベストな方法となります。
なぜなら彼らはPMIを扱う保険会社の審査基準と銀行との契約状況を把握しているので「この物件だったらこのPMI保険会社、そしてそのPMI保険会社と契約しているのはこの銀行」というカタチでモーゲージを選択することが可能だからです。
ボク自身はもしお金があるのであれば、PMIの支払いを避けるためにも20%の頭金をおくことを薦めることが多いのですが、これはもちろん物件購入者の方の状況や考え方によりますので、10%でもローンが組める可能性が高まった現在の状況は、選択肢が増えたという意味でも非常によいことだと思います。