月500ドル収入を増やす方法。
先日知人が500SqFt弱の小さなコンド(スタジオ・アパート)を購入しました。
実はこの彼、これで5つ目の物件購入。
ブルックリンには彼のような個人不動産投資家が結構います。
IRA(個人年金)の運用ベースとなっている金融商品に対する不安が増す中、ポートフォリオの一部を不動産にという話は最近よく聞く話ですが、彼の不動産購入の動機は、月500ドル、収入を増やしたいからというシンプルなものでした。
許可をもらいましたので、少し詳しく家庭事情を書いてみたいと思います。
彼は奥さんと共に共働きで、世帯所得は年約120K(12万ドル)です。1年間の家庭の出費、つまり生活費は約60K(6万ドル)だそうですから、年間約60K(6万ドル)のセービング(貯金)ができることになります。
そうすると、2年ちょっとで125K (12万5千ドル)が貯まります。
この125Kというのは、500Kの不動産を25%の頭金で購入する際に必要な額となります。もちろん実際にはクロージングコストがかかりますが話をシンプルにするために省きます。
25%というのは一般的に投資用ローンに必要な頭金のパーセンテージとなります。
そして冒頭に書いた不動産購入となるわけですが、物件決定の見極めは、500ドルの純利益を生んでくれるかどうか。
シンプルですよね。
不動産投資だったら表面利回りで二桁は欲しい・・・と感じるかたに取ってはぴんと来ない考え方かもしれません。
実は彼がこの方法で不動産投資を始めた経緯はこんな感じです。
彼はもともと起業家精神があり、会社勤めの傍ら自らビジネスを立ち上げようとしていました。とは言っても限られた予算と時間の中ですから、再度ビジネスとして、ひとまず月5万円の純利益を生み出すことを目標にしたそうです。
インターネットを使いドロップシッピングという方法で、家電などを販売するビジネスだったらしいのですが、はじめて1年半で毎月の純利益は500ドルを越えたそうです。
ところが、順調に見えたこのビジネスですが、月500ドルの純利益を1000ドルにすることがどうしてもできなかったといいます。1000ドルを目標にするとどうしても時間と人手が必要となり、それまでのやり方を大きく変えなければならない上、リスクも増します。
もちろん会社を辞めて、これを本業とすればできたのかもしれませんが、彼にそのつもりはなく、あくまでスペアタイムを使って効率よく収入を増やすことが目的でした。
つまり寝る時間を削って行なったり、人を雇わなくてはならなかったりしたら本末転倒というわけです。
そんな時、自宅としてブルックリンにコンドを購入した際に、当時のエージェントから「売るときはもちろんですが、もしこの部屋を貸し出したいと思ったらいつでも言ってください」といわれました。
よく話を聞いてみると、彼等の毎月の支払いに700ドルくらい乗せた額で十分に貸せるということでした。
インターネットを使ったビジネスで生み出せる副収入は毎月500ドル。これは何年たっても変わらないばかりか、競争が激しくなりいつか利益が得られなくなるかもしれません。10年後、15年後の収入に対する保証は全くないわけです。
これに対し、もしこの月500ドルが不動産による収入だったとしたら話は全く変わってくる。そのことに彼は気が付きました。
というのも不動産を購入した場合、毎月500ドルの収入を得ることができるだけではなく、テナントが自分達の借金を返し続けてくれることで、モーゲージ完済のあかつきには物件はまるまる自分達のものになるからです。
引き続きレンタルすることで収入を得続けてもいいですし、売却してキャッシュアウトすることも可能というわけです。
ということで、冒頭にも書きましたが、彼はこの「月500ドル」をフォーミュラとし、現在5つの不動産を所有しています。
$500 x 5件=$2,500 の副収入を得ている(実際にはそれ以上だそうですが)わけで、買い時である今、10件まで物件を増やしていく計画だそうです。
毎月$500を生み出す物件が10件。
つまり月$5000ドルの収入が入り続ける上、テナントによってローンが完済されたあかつきには、物件の価格が全く上がらなかったとしても手元に純資産として5M(500万ドル)以上が残るということになるわけです。
労働所得から不動所得へのキャッシュフローの変換は、まさに金持ち父さんを地で行くやりかたで、彼はブルックリンのミニ投資家といえますが、非常に等身大でリスクの低いやり方は多くの方の参考になるのではないでしょうか。