2012.11.10

10月のニューヨーク不動産マーケット

ちょうど1ヶ月ぶりの更新となってしまいました。いよいよニューヨークは冬の到来という感じで昨晩は初雪が降りました。

週末にかけては暖かくなるようですが、ハリケーン・サンディーの影響により家をなくされた方やまだ電気が通っていないご家庭も多く影響が心配です。

数多くの支援活動が既に動いていますが、私の勤めるコーコランでも、ハリケーンの翌日からブルックリン内の全オフィスを被害に合われた方への物資ドロップオフポイントとして開放し毎日物資をRockaway、Breezy Point、Red Hook などにシャトル輸送していますので、寄付したいものはあるのに被災地まで運ぶことが出来ないという方は是非以下のコーコランオフィスにお問合せください。

[ Fort Greene ] 65 Lafayette Avenue (718) 210-4000[ Park Slope ] 125 Seventh Avenue (718) 499-3700[ Williamsburg ] 241 Bedford Avenue (718) 422-2500[ Brooklyn Heights ] 124 Montague Street (718) 852-9050

大統領選は票計算の混乱も無く、オバマ大統領が2期目の再選を決めました。ニューヨークでは投票前に元共和党であるブルームバーグ市長もオバマ大統領の再選を支持するコメントを出しましたが、多くのニューヨーカーが胸をなでおろしたのではないでしょうか。

この1ヶ月、息つく暇も無い雰囲気があったニューヨークの不動産マーケットですが、例年通りニューヨークマラソン(今年はハリケーンで中止)後は少し落ち着きを取り戻します。

特に来春に入居を考えているバイヤーはこの時期の物件探しは重要でありマーケット全体の動きが気になるところですが、10月マーケット速報の昨年同月対比は以下の通りです。

マンハッタン(コンド)、ブルックリン(コンド・コープ)共にマーケットが改善(価格上昇)している様子が伺えます。

成約価格は平均値・中央値共に二桁の伸びであり、1SqFt当たりの物件価格もブルックリン、マンハッタン共に上昇しています。

特にマンハッタンでは1SqFt当たりの物件価格が昨年と比べ17%上昇し、マーケット全体の価格上昇と共に、高級コンドミニアムマーケットが動いていることが感じられます。

価格交渉に関してみると、ブルックリンでは販売価格に対して平均して2.5%低い価格で成約していた昨年10月と比べ、今年の10月は0.4%上昇するかたちで成約しており、これは複数入札による価格の上昇が起こっていることをあらわします。

それに対してマンハッタンのコンドマーケットでは、昨年10月には3.8%であったディスカウントが4.1%に広がっているのですが、「価格交渉の余地がある」と判断するのは早計です。

というのも実際にはマンハッタン内でも、特に1M以下の物件に対して複数入札による競売の声が聞こえてきている上、販売価格の平均値(1.23M)と中央値(1.97M)に大きな差があることから見ても、一部の高額コンドミニアムでの数値が統計値に影響を与えている可能性が高いからです。

そのような一部の高額物件を除いた場合のマーケットの値引率は非常に低いというのが現場の感触です。

新築物件を中心にインベントリーの減少傾向は来年もつづくと見られていることから、競争の激化は避けられず今後ますますセラーズ・マーケットとなることが予想されます。

その意味ではマーケットが落ち着いているこの時期、寒さに負けずに動き始めることが、暖かい春を迎えるためには重要といえます。