一人暮らしの家をニューヨークに持つ。
ニューヨークは「生活しているだけで毎日が楽しい街」だといわれます。
確かにニューヨークに暮らしていると、日々の生活は新しい人との出会いや様々な刺激に溢れ、毎日の生活が活気に満ちています。
それは同時に、ビジネス、教育、アート、音楽・・・あらゆる分野において競争が激しいことを表しているわけでもありますが、それでも日本とくらべると自由に自分らしく生きるということがしやすい街ではないかと感じます。
そのせいかどうかはわかりませんが、ボクのまわりにも長期的な人生の選択として一人で暮らすことを選んでいる人は多くいます。
例え一生涯ニューヨークに暮らすわけではなくとも、例えばこれから10年、20年、あるいはそれ以上ニューヨークで暮らすことを考えたとき、毎日の生活の基盤である自分の住居というのは非常に重要であり、長期的に生活コストの上昇を抑え快適な暮らしを確保するというのは大きな課題です。
その意味では「家賃を払い続けるのをやめ、いつかはマイホームを購入したい」と考えるのは当たり前の流れだといえます。
では「一人暮らしの家をニューヨークに持つ」というのは賃貸での暮らしと何が変わるのでしょうか?
購入する以外の選択肢として聞くことの多いRent Stabilized Apartmentですが、これに関しては賃貸専門のエージェントも根をあげるほど熾烈な争奪戦が繰り広げられており、残念ながら誰もが確保できるような状況ではないのが実情です。詳しくはNew York Timesのこちらの記事’Rent-Stabilized Apartments, Ever More Elusive‘ をご一読ください。
まず一人暮らしのマイホームを購入された方がその動機として最も多くあげられるのは「長期的な資産形成になる」という理由です。
例えば今後のレントの平均上昇率が仮にRent Stabilized Apartment と同程度の3%を維持し続けた場合、現在の家賃が$1200ドルであれば10年間で支払う家賃の総額は$165,080ドル、20年間では$386,933ドルとなります。
さらに現在の家賃が$1500ドルであれば、実に10年間で$206,350ドル、20年間で$483,667ドルが家賃として消えてなくなることになります。
ちなみにこれを書いている2013年2月現在のRent Stabilized Apartmentの値上げ率は2%ですが、2007年は7.9%であり、実際の上昇率平均は、たとえRent Stabilized Apartmentであったとしてもこれ以上になる可能性があります。
もちろん住居に費用がかかるのは仕方がないことですが、何とかこのお金を生かす方法はないのかと考えたとき、家賃を支払い続けてお金が消えていくのではなく、住宅ローンを支払うことで、自分が暮らす家が資産としてその価値を上げていくというのは、長期的な人生設計の上で非常に大きな魅力というわけです。
次に「大家さんから解放された」というのもよく聞く話しの一つです。
ニューヨークは大家さんの街といってもいいほど、ランドロード人口が多い場所ですが、残念ながら大家さんとテナントの関係というのは双方にとってストレスになる場合があることも事実です。
特にテナントとして一人で暮らしている場合、大家さんとの関係がこじれたり、ひどい大家さんに当たってしまった場合は大きなストレスになります。
家を持つということは、この大家さんとの関係を断ち切り解放されることでもあるというわけで、ある意味自由を手に入れることでもあります。
またこのこととも関連しますが「自分の理想的な住まいを作りたい」というのも「賃貸」から「家を持つ」ということへのモチベーションになっていることが多いようです。
小さくても居心地がよく、自分自身のライフスタイルとこだわりを徹底的に反映した部屋、そんな部屋を手に入れたい・・・そう感じたとき、やはり借り住まいではリノベーションなどに限界がありますので、マイホームを持つということが意味を帯びます。
一人暮らしのマイホーム選びにはいくつかの注意点やコツ、また事前の準備が必要ですが、上手く購入した場合にはその後の人生に大きな意味と影響を持つ宝物になりえます。
「いつかは手に入れたいなぁ・・・」と思っている方は、ぜひ出来るだけ早めにファーストステップを踏み出し、夢を実現していただきたいと思います。