金利が上がってマイホームが買いやすくなる?
既に多くの方がお気づきかとは思いますが、この数ヶ月でモーゲージ(住宅ローン)金利が一気に上昇しました。下の折れ線グラフはクレジットスコアが最も高いカテゴリにある場合の30年固定金利ローンのレートの変化になります。

Data & Chart from Zillow
4月の後半から一気に1%以上上昇していることがわかります。数ヶ月前まで多くの経済専門家は金利の情報など予想していないばかりか、2014年頃まで超低金利が続くという話も多く聞かれていたことを考えると、現在の状況は予想外の急展開ともいえます。
さてこれによって何が変化するのかということなのですが、まず大前提なのは「それでも現在は歴史的低金利である」ということです。
例えば、1982のニューヨークタイムスの記事ではモーゲージの金利が18.16%から17.54%に下がったということが取り上げられていますが、米国の住宅ローン金利は2000年に入るまで低いときでも7%以上でした。
空前の不動産ブームと言われた2007年前後でさえ、金利は6.5%あたりだったことを考えると、今回の金利の上昇によりマイホーム購入者の意欲がそがれることはまずないと思われ、マーケット環境はこれまで通り多くの買い手を抱えた状態、つまり売り手市場が続くと考えら得ます。
そして、もちろん購入時の予算には少なからず影響を与えますので注意が必要です。
というのも金利が1%上がったということは、単純にローンの限度額(借り入れることが出来る額の上限)がこれまでよりも下がるということですので、もし今年前半からマイホーム探しをしていたという場合には、現在お持ちのPre-qualification Letterを取り直す必要があるからです。
数ヶ月前には借りられたはずの額が借りられない可能性がありますので、そのような場合には、購入予算を下げるもしくはダウンペイメントを上げることで予算を保つ必要が出てくるということになるわけです。
そう考えるとデメリットばかりのように聞こえますが、実はマイホームの購入自体はしやすくなる可能性があります。
というのもマーケットからインベスターが姿を消しているためです。
もちろん何の影響もないキャッシュインベスターもNYCには多く存在しますが、個人でモーゲージを利用してインベストメント用のプロパティを購入しようとしていたバイヤー層にとっては今回の金利の上昇は大きな痛手です。
特にタイトな予算の中、低金利のみを頼りに投資を考えていた層にとっては、投資効率が非常に低くなるばかりか、購入することが出来なくなる可能性もあります。
実際、6月上旬頃まで続いていたような「安ければどんな物件でもオファーを入れる」というような傾向は一気に冷めてきているのを感じます(もちろん季節変動や価格調整の影響もありますが)。
ということで、これまでのような過酷ともいえる購入競争はひと段落しつつあり、真剣にマイホーム購入を考えている方にとっては、以前よりははるかに買いやすい環境になってきていえます。
もちろん圧倒的にセラーズマーケットであり、よい物件は右から左に動いていますので、色々な意味で難しいマーケットであることに変わりはありません。
それでもこの夏は、秋の不動産商戦に向けてマイホーム実現に向けた作戦を立てるにはベストなタイミングですので、ぜひよいスタートを切っていただきたいと思います。
もちろんあらゆるかたちでお手伝いをさせていただきますのでお気軽にご連絡ください(宣伝です!笑)。