秋のニューヨーク不動産商戦スタート。
夏休みもありしばらくご無沙汰となってしまいました。サマーバケーションも終わり、学校も始まったニューヨークですが、これからいよいよ秋の不動産シーズンとなります。
昨年の末から売り手市場に変化したニューヨークの不動産マーケットは、年明けから春にかけて一気に熱を帯びた感がありましたが、これを実際に数字で見てみたのが下のグラフになります。
まずマンハッタンにおける物件成約価格をベースに1SqFtあたりの平均価格の推移をみると以下のようになります。
1月から一気に上がり、5月・6月に若干のゆれ戻しがありましたが7月には、1SqFtあたり実に$1,746になっています。
1SqFtあたり$1,746という価格は、単純に言えば1000SqFtの物件を購入する場合には平均1.7M、500SqFtであっても平均875Kというのが物件の価格ということになります。
ちなみに7月の数字では、マンハッタンにおける1-bedroom と2-bedroomでは、広さあたりの価格の差はほとんどありません。最終的に2013年の平均価格がどの程度になるかはまだなんともいえませんが、近年で最も高かった2008年の数字を超えそうな感じです。
次にブルックリンですが、2-bedroomの物件の平均価格推移を成約価格ベースでみてみました。これもマンハッタンと同様の動きをしていることがわかります。
実は今年は史上初めてブルックリンでの物件価格平均が1SqFあたり700ドルを超えた年なのですが、あらゆる分野で人気が高まっているブルックリンの不動産価格はまだまだ延びそうな勢いを感じます。
マンハッタン、ブルックリンどちらのエリアも、昨年をベースにした値付けがされていた年初に対し、物件数不足を背景に4月、5月、6月と、非常にマーケットが加熱しました。
その結果、数多くのHighest & Best、つまり複数入札による物件のオークションが行われたわけですが、その後はそのマーケット熱を吸収する形で、もともとの付け値(Asking Price)が高く設定されるようになっています。
つまり、少し前までは「安めの価格に多くの人が飛びつきその結果値段が上がる」という状況でしたが、現在は「もともとの値段が高く設定されているため入札数は減ったものの購入者はいる」という状況です。
結果としてHighest & Bestが行われる数は春と比べ減りましたが、物件の成約価格自体は上昇し続けており、ある意味価格上での需給調整がされた形といえます。