2016.8.15

秋からのマーケットはローカル視点で

7月末から8月上旬に掛けてお休みをいただいたこともあり一ヶ月ぶりの更新になります。それにしても暑いですね。体感気温で40度を越す日がづついていており、外出もためらわれる暑さです。

ニューヨークの不動産マーケットについて言えば、現在は一年間で最もスローな時期です。ニューヨーカーの多くはバケーションをとっており、売り手や買い手だけではなく、銀行や弁護士、デベロッパーやコントラクターなど、非常の動きがスローになっています。

ただ同時に9月のLabor Day以降から始まる秋の不動産マーケットに向けた準備をする時期でもあります。

社内のデータによると現在マンハッタンでは、販売中・販売予定のコンドミニアムは約3300ユニット、ブルックリンでは約2900ユニット、またロングアイランドシティ(クイーンズ)では約380ユニットあります。

数字を見ると多くの物件が控えているように見えますが、その多くはラグジュアリーもしくはスーパーラグジュアリーにカテゴライズされる開発です。

そのため現在開発ラッシュとなっているエリア、特に1SFあたりの価格が1800ドル以上のマンハッタンの物件については年末に掛けてデベロッパー側からのコンセッションがでる可能性もあり、買い急いで不利な契約とならないようにマーケットを注視する必要があります。

逆に一般のリセール物件については未だインベントリーが逼迫している状態で、Listing(マーケットに物件を出すこと)からIn-contract(成約)までの日数は平均約40日というスピードです。

また、マンハッタン、ブルックリン共にエリア全体の平均としては価格は未だ上昇傾向ですが、細かく見るとダウンタウンマンハッタンやアッパーウエストサイドでは価格の揺れ戻しが起こっています。

メディアなどでは土地価格の急騰で開発案件は難しくなっているという一般論が飛び交っていますが、先日あるデベロッパーと話をしたところ、小型開発であればまだまだほれる場所は多いということでした。手元のデータを見てみてもマンハッタンでは100ユニットを超える大型の物件も目立ちますが、全体として小型開発が多くファイルされています。

そういう意味では秋以降、売却においても購入においても、これまで以上にマーケットをローカルに見ていきながらプランを練り動く必要がありそうです。