先週のマンハッタンに続き、今回はニューヨークの不動産マーケットを考える上で欠かすことのできないブルックリンのマーケットについて、2017年第一四半期のレポートで確認してみたいと思います。
まず全体の動きを見ると、広さあたりの単価 ($/SF)が、昨年第一四半期は$789であったのに対し、今年は$1,018と、昨年対比29%という高い伸びとなりました。
取引自体も、成約数は14%、販売数は7%と伸びており、レポートによるとこの第一四半期の動きは、過去6年間でもっとも強い伸びということでマーケットが活発に動いていることを感じさせます。
マンハッタンではコープの売買件数ががコンドミニアムの売買件数と比べて圧倒的に多い訳ですが、ブルックリンでは、コープとコンドの販売件数はほぼ半々の状況です。
また、物件がマーケットに出されてから成約するまでの日数であるDOM (Days on Market)は、マンハッタンの123日に比べ、ブルックリンでは82日となっています。
第一四半期に売り出された物件数では、中古のコープ、コンドが昨年同期に比べ20%近く減っているのに対し、ニューデベロップメントは52%の伸びを見せており、レポートにある通りこれがマーケット全体の価格上昇の一因ともなっています。
そして物件タイプ別に見ると、コープの$/SFは昨年と変わらないのに対し、コンドミニアム(中古)は13%という伸びを見せておりコンドの人気が伺えます。
またニューデベロップメントに関しては高級化が進み、$/SFは昨年対比で50%の伸び、また販売数自体も同82%の伸びを示しており、inventoryの伸びを大きく上回る販売数の伸びとなっています。
レポートより、エリアごとの不動産価格 (平均$/SF)と昨年対比を下にまとめてみました。
実際には各エリアにより物件の種類やストックに大きな差がありますので簡単に比べることはできませんが、他のエリアを圧倒してBedford-Stuyvesant, Crown Heights, Lefferts Gardens & Bushwick エリアの価格が大きく伸びています。
特にベッドスタイ(Bedford-Stuyvesant)ではこれまでのタウンハウスマーケットに加え、より安価なコンドミニアムへの需要が強まっており、その建設も盛んに進められています。
$1,151 (+12%)
Brooklyn Heights, Cobble Hill, Dumbo & Downtown
$1,287 (+13%)
Park Slope & Gowanus
$1,080 (+14%)
Fort Greene, Clinton Hill & Prospect Heights
$866 (+10%)
Carroll Gardens, Boerum Hill & Red Hook
$1,122 (+9%)
Bedford-Stuyvesant, Crown Heights, Lefferts Gardens & Bushwick
$730 (+27%)
Carroll Gardens, Boerum Hill & Red Hook
$1,122 (+9%)
Kensington,Windsor Terrace, Ditmas Park, Flatbush & Prospect Park South
$604 (+5%)
South Brooklyn
$522 (+9%)