回復するブルックリンのコンド市場
4月15日付のWall Street Journal の記事から。ブルックリンのコンド、それも新築のコンドの売れ行きが非常によいことはボク自身も毎日肌で感じていますが、感覚的には昨年の末頃からその傾向が顕著なように思います。
コーコラングループのブルックリンでの売上が昨年対比で25%伸びていると書かれていますが、もちろん昨年と一昨年(2009-2010)の売上が不況により非常に悪かったことを考えると単純に景気回復基調にのって上がってきているという意味もありますが、興味深いのは不動産バブルが崩壊した際に18.3%の下落率だったブルックリンの価格が現在12%の下落率にまで回復しているのに対し、クイーンズはいまだ27%の下落率であるということ。
もちろん地域としてのブルックリンの人気は背景にはあるものの、クイーンズの不動産価格がバブル時にどれほど本来あるべき市場価格から乖離したかがうかがえます。
ちなみにブルックリンの新築物件と言った場合、すぐに頭に浮かぶのは大体以下の4地域です。
- ダウンタウンブルックリン内の大型新開発。
- 4th Ave 沿いの中~大型新開発。
- Clinton Hill/Fort Greene の小中大型開発。
- Park Slope South の小~中型開発。
それぞれ全く異なる特徴をもつエリアと開発ですが、実際どの地域にも新築部件にはバイヤー(購入者)の注目が集まっており活況です。
個別の物件をみても、市場にでて数ヶ月うちに制約率が50%を超えるような物件も出始め(成約率50%というのは新築物件にとって非常に重要な指標です)、また不動産バブルの時期に豊富な資金を使ってつくられたラグジュアリーな物件にも人気が集まっています。
バブル崩壊により開発側の希望する価格で販売することが出来ず、マーケティングのし直し、つまり物件の価格を大幅に下げた上で再販売することを余儀なくされたことで、物件のクオリティに対する割安感があるのが特徴であり、記事中にあるbe@Schermerhorn はそのよい例です。
ちなみに記事中にでてくるFrank Percesepeはコーコラングループのブルックリン地域を統括する親分。ブルックリンにおける不動産のマクロビューという意味で言えば、業界の中でもこの人の右に出る人はいない存在で、ボクのボスのボスにあたります。
※右上の写真はブルックリンにあるパブルックスクールPS261の敷地内に咲く枝垂桜。毎週土曜日にこの学校で子供達のための日本語クラスを運営しているんですが、子供達の声のトーンからも春の到来を感じるブルックリンです。