2011.4.28

ビッグプレイヤー動く!

2009-2010年にかけ、まるで時が止まったように動かなかったニューヨークの不動産市場ですが今年に入り多くの動きが出てきています。

気候も手伝いオープンハウスに訪れる人の数は昨年とは比べ物にならないほど多くなり、2時間のオープンハウスで50組以上の訪問者を集める物件も出てきています。

またニューヨーク最大の不動産業界組織であるREBNY (Real Estate Board of New York)の発表した不動産エージェントに対するアンケートでは、ニューヨークの住宅用不動産の約7%が販売価格を上回る値段で取引されたという結果となりました。

さて、不動産エージェントである我々がマーケットの動向を感じ取る最も大きな要素はもちろん「売り手と買い手の動き」なわけですが、マーケットの動きをいち早く感じるという意味では「金融」と「開発」の動向は外せません。

例えば金融に関しては、数ヶ月前から地域銀行をはじめとする所謂ポートフォリオ・レンダーたちの動きが活発になってきているや、先日ブルックリンの老舗モーゲージブローカーから聞いた、サブ・プライムレンダーがマーケットにカムバックしつつあるというような情報は、マーケット変化を示す大きな動きです。

そしてこの記事は開発サイドの動きからマーケット変化を感じ取ることができる大きなトピック。100 Parkside Ave における旧病院ビルの再開発が再び動き出すという内容です。開発者であるJoseph Chetrit は業界のビッグプレイヤーであり、その彼が不動産バブル崩壊前(2007年)に購入し、崩壊と同時に塩漬けになっていた同開発を今年から再開するという話し。開発サイドも動き始めたことを象徴するニュースのように感じました。

で、マーケットの動きもさることながら、ボク自身がこの記事に関心を持った理由・・・実はなんとこの開発、うちの近所なんです。笑

公園(Prospect Park)の直ぐそばに低価格で住むことができる最後の場所といわれ、ジェントリフィケーション(Gentrification) という意味でNew York Times などに取り上げられているエリアであり、地下鉄の駅で言うと、Q/BトレインのProspect Park、Parkside Ave、Church Ave の周辺となります。

しかしレンタルとコンドのミックスビルディングとはいえ、この開発だけで270ユニットの世帯増となることは、コンドが少ないこのエリアにとっては非常に大きなインパクトがあります。

ということでこの開発、不動産マーケット全体の動きを知る上でも、同エリアの今後の変化を知る上でも重要な開発。今後も注目していきたいと思います。