何がウィリアムズバーグで買えるのか?
このところ日中の気温はかなり上がってきましたがまだ朝晩がまだ結構冷えるブルックリン、着るものを選ぶのが難しいところです。
さて、前回に引き続き人気のWilliamsburg についてですが、実際の物件をピックアップするのはまた別の機会として、今回は不動産的に見たこのエリアの特徴について触れてみたいと思います。
ウィリアムズバーグがブルックリンの他のエリアと大きく異なる部分はいくつかあるのですが、まず1つ目は、もともと工場や倉庫地帯であったこの地域には、パーク・スロープ(Park Slope)やフォート・グリーン(Fort Greene)のような魅力的なブラウンストーン(Brownstone)ビルディング は見られないということです。
ウィリアムズバーグのタウンハウスはお隣のブッシュウィック(Bushwick)と同様、戦後に作られた量産住宅がメイン。タウンハウスを探している方は注意が必要です。
そして2つ目の特徴は、コープは殆どないということです。例えばウィリアムズバーグのタウンハウス以外の物件をサーチしてみると、今日現在で319件の物件が売りに出されていますが、このうちコープはたったの9件。その他は全てコンドということになります。
3つ目の特徴は上記のコンドの内訳で、新築・準新築物件が圧倒的に多いということです。現在販売されている、コープを除いた310件の物件のうち、実に234件(76%)が新築・準新築物件となります。
以上のことを考えるとウィリアムズバーグでの物件探しは自ずと新築物件、つまりニューデベロップメント、もしくは古いビルの外側だけを残し中身を全て新しくしたコンバージョンと呼ばれるデベロップメントが中心となるわけです。
ですので物件購入に関しても「売主=デベロッパー」ですので、以前 New Development 購入3つの注意 でも書きましたが、通常の物件購入とは異なるプロセスとなり、十分な理解と心構えが必要となります。
また忘れてはいけないのがウィリアムズバーグの環境汚染について。もともと工業利用されていた土地ですので、環境汚染がらみでのトラブルはたまに耳にします。
健康に対する被害や訴訟などが起こってるという話しは聞きませんし、違法に売られているわけでは全くないのですが、ボク自身、子供をもつ親であることもあり、このあたりのことには非常に敏感です。
特に子家族にお子さんがいる場合など、できればいわゆるToxic Site の近くは避けたほうがよいのではないかと感じますし、ボク自身は環境汚染に関する専門家ではありませんが、ウィリアムズバーグでの物件探しでは、最低限物件の建つ土地に関する環境汚染関係の資料はかならずチェックします。健康に対する影響だけではなく、将来の不動産価値に対する影響がないとはいえないからです。
さて実際ウィリアムズバーグで物件を購入しようとする場合、気になるのはその価格ですが、今年に入ってから「売れた物件」をもとに、購入価格の相場を見てみると以下のような感じになります。
部屋の数 | 物件数 | 平均価格 | 平均床面積 | $/1Sq.Ft. |
スタジオ(0ベッドルーム) | 49 | $474,660 | 640Sq.Ft. | $755 |
1ベッドルーム | 48 | $557,090 | 780Sq.Ft. | $723 |
2ベッドルーム | 117 | $989,213 | 1,154Sq.Ft. | $870 |
3ベッドルーム以上 | 23 | $1,618,171 | 1,775Sq.Ft. | $941 |
実際には最近売り出されたかなり高額ないわゆるラグジュアリーコンドが含まれているため、平均価格がやや上がって算出されている気がしますが、マーケット全体の雰囲気は掴めるのではないでしょうか。
以前はウィリアムズバーグというと、アーティスト・ロフトというイメージが強かったのですが、最近では完全に新しく建てられている物件が増えていることもあり、ロフトタイプの物件はあるものの、いわゆる本来の意味でのロフトは非常に少ないのが現状であり、また先にも触れた大型のラグジュアリーコンドが多いのも特徴です。
このようなビルにはジムやフィットネススタジオはもちろん、プール、ドアマン、コンシェルジュサービスなど、あらゆるアメニティーを提供しており、単なる部屋とロケーションに対する価値だけではなく、そのビルを含めたサービスに対する価値に対し魅力を感じる層にアピールしています。
不動産バブルの後処理的なドタバタはあるものの、ウィリアムズバーグの価格は堅調(高い!)であり、ウィリアムズバーグは毎週末、多くのコンドバイヤー達でにぎわっています。