2011.10.7

Bed-Stuyは今どうなのか?ということ。

タウンハウスの中で最も人気があるのがいわゆる2-Family Townhouse と呼ばれるものです。これは法的に別々の2世帯の居住が認められているタウンハウスであり、例えば下層部の2階にはオーナーが住み、上層部の2階にはテナントが住むというものです。

オーナーはテナントからの収入により毎月のモーゲージの支払いを軽減あるいは相殺可能ですし、場合によっては利益を得ることが可能となります。

では何故3-Family や4-Family ではなく、2-Family が人気なのかといえば、それは売りやすいからであり、何故売りやすいのかといえば、それは人気があるから・・・。これでは何の答えにもなっていませんが、原因の1つは3-Family や4-Family のタウンハウスの場合、オーナーが住むための居住空間が圧倒的に狭くなってしまうからです。

例えば典型的な20’x45’という大きさのタウンハウスの場合、1フロアあたりの床面積は約800SqFtとなり、これが3-Family や4-Family タウンハウスのオーナーユニットの床面積になります。800SqFtというのは1ベッドルームもしくは非常に狭い2ベッドルームのサイズです。

これに対し例えば典型的な3階建てのタウンハウスの場合、オーナーユニットはデュープレックス、つまり800SqFtx2=1,600SqFtとなり、その上にテナントのためのシンプレックス・ユニットが付くか、もしくはダブル・デュープレックス(2階建ての世帯が2つ入ったタウンハウス)の場合、オーナーもテナントも2階建て分のスペースを確保することが可能となるわけです。

さて、前置きが長くなりましたが、一時期タウンハウス・ハンティングの主戦場であったBed-Stuy (ベッド・スタイ)ですが、現在のマーケットはどんな感じでしょう。ちょっと数字を引っ張ってみました。

2004年に販売が成立したBed-Stuyの2-Family タウンハウスの平均価格は465K、それが2007年では630Kにまで跳ね上がりました。その後景気の低迷と共に2010年に価格の下落傾向が続きますが、実は不動産ブーム前の価格に戻る・・・などということは全くなく、2009年の平均販売価格は585K(ただし販売件数は非常に少ないです)であり、2010年は590Kで販売件数は倍増、そして今年2011年は既に2010年の販売数を記録しており、平均販売価格も595Kとなっています。

もちろんBed-Stuyは非常に広いエリアですので、場所や個別の物件の状況により大きく変わりますし、これを底値と見るかどうかというのは結果からしか判断できませんが、1ついえることは「Bed-Stuyのタウンハウスは、待てば不動産ブーム前の価格まで落ちる」という予想は、どうやら空振りに終わりそうだということです。

10月5日、スティーブ・ジョブズ氏がなくなりました。今から20年前、僕自身がはじめてアメリカに来たとき、シリコンバレーの若き起業家たちに出会って感じた未来に対するワクワクするような期待感や時代の風は、さらにその5年ほど前、ボク自身が始めてマックを手に入れたときに知ったスティーブ・ジョブズ氏の存在がその根底にありました。僕自身がこれまで大きな影響を受けてきた彼の死に心から哀悼の意を表します。