一筋縄ではいかないマーケット。
2月の末に1週間お休みをいただいたのですが、その後NYCに戻ってきてからあっという間に時間が経ってしまいました。
この間、ベッドスタイ(Bed-Stuy)にあるブラウンストーンのタウンハウス、ウィリアムズバーグ(Williamsburg)にあるデュープレックスのコンドそしてコボル・ヒル(Cobble Hill)にあるロフトスタイルコンド、そしてフォート・グリーン(Fort Greene)にあるブラウンストーン・コープと、数多くの物件販売のお手伝いをさせていただきました。
毎年春の不動産マーケットがヒートアップするのは4月半ばからなのですが、今年はマンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、どのエリアを見ても昨年末から途絶えることなく激しくマーケットが動いています。
これはマーケットに出ている物件数が圧倒的に少ないこと、低金利市場が続き多くのバイヤーがマーケットに存在すること、さらに金利が上昇傾向であることから今が購入時期と見て動いているバイヤーが非常に多いことなどの影響によります。
物件はマーケットに出た瞬間に成約という状況ですが、多くの人気物件で繰り広げられているビッディング・ウォー(複数入札による競売)の競売情報はオープンには流されないので注意が必要です。もちろん一般の不動産HPなどには掲載されることはありませんので、残念ながらその手のサイトは役に立たない状況です。
最終的に取引される物件価格も、アスキングプライス(セラーがつけた元の物件価格)から大幅に上昇しており、20%以上高い価格で成約という物件も珍しくありません。
不動産価格は今年、来年とさらに上がっていくことが予想されていることや、今後の金利の上昇を考えると、今が買いどきということに間違いはないように思われますが、一筋縄ではないのが現在のニューヨークの不動産マーケットといえます。
もちろんこれはセラー(売り手)の立場になれば、複数のバイヤーの中からベストバイヤーを選択し成約につなげることができる最高のマーケット環境ということができます。
ちなみに冒頭の物件も例外ではなく、2件はビッディング・ウォーを経ての成約でした。また他の物件に関しても、一つは物件が一般のマーケットに出る前の情報をおさえて購入、もう一つもブローカーオープンハウスで先行交渉をした上での成約でした。
寝技・裏技・・・というほどでもありませんが、あらゆる手段とネットワークを駆使しての成約を勝ち取るよううなこの状況は、半年前では考えられないマーケット環境であり、売買に関しては(実はレンタルもそうなのですが)ますますエージェントの役割とネットワークが重要になってきていることを実感した一ヶ月でした。
ということで、今日もこれから一般公開される前の物件をチェックしにいくわけですが、いくつかの条件が合えばすぐにクライアントの方にご連絡差し上げる予定です。