2014.2.25

ベッドスタイの過去・現在・未来。

毎年この時期は子供達の通う公立学校が1週間休みとなるため、先週1週間は、太陽と海を求めてメキシコにて休暇をとらせていただき、月曜日にNYCに戻ってまいりました。

心身ともに充電完了という感じで、厳しい寒さに負けず(明日はまた雪ですが・・・)頑張っていきたいと思います。

さて、数日前にNew York Timesに掲載されたこのベッドスタイ(Bed-Stuy: Bedford Stuyvesant)に関する下の記事、読まれた方も多いと思います。

Argument Over a Brownstone Neighborhood
The Case for and Against a Bed-Stuy Historic District

ベッドスタイにおけるヒストリック・ディストリクト(歴史的建造物保存エリア)である Bedford Historic Districtを拡張することに対する賛成派と反対派の意見を軸に、地元に代々暮す住民と新しい開発の波、ヒストリック・ディストリクトに指定されることのプラス面とマイナス面など、過去・現在・未来のベッドスタイを考えるための多くの情報を提供してくれるとても興味深い記事です。

ヒストリック・ディストリクトは美しい街並みが保存されてるエリアなわけですが、特にマンハッタンとブルックリンに多く存在します。ブルックリンで言えば、ブルックリンハイツ、パークスロープ、フォートグリーン、クリントンヒル、コボルヒル、クラウンハイツ・・・など、多くのエリアがヒストリック・ディストリクトを中心に発展しています。

結果としてそのエリアおよび周辺エリアの不動産価値を高めてることになりますが、記事にもあるとおり、ヒストリック・ディストリクト内ではビルディングの修繕やメンテナンスに関する厳しいルールと罰則が設けられています。

ヒストリック・ディストリクト拡張の賛成派、反対派、それぞれ頷ける意見であり難しい問題ではありますが、一つ言えることは、拡張がされるされないにかかわらず、このエリアは今後もますます発展していくであろうということです。

私自身の仕事を考えても、一昨年あたりからベッドスタイででの売買および大家さんのお手伝いが急増してきており、いよいよベッドスタイが来ているな・・・という印象を強く持っていますが、同僚の中には「将来を見越し、とにかくどれでもいいから今ベッド・スタイのブラウンストーンを買え」と話すエージェントもいます。

それは言い過ぎにしても確かに以前より高くなったとはいえ、1M以下で美しいブラウンストーンのタウンハウスが購入可能なベッド・スタイに、街としての大きな魅力と可能性を感じ、移り住んでくる人の流れは今後もますます加速するというのは肌で感じている実感です。

また投資としてみた場合、数に限りがあるアンティーク建築であるブラウンストーンの価値ということもさることながら、記事にも書かれているとおり、このヒストリック・ディストリクト拡張のプロポーザルが出される以前からエリアの平均家賃はうなぎのぼりの状態です。

エリアで言えばフォートグリーン、クリントン・ヒルの延長として、A/C/Gトレインからの流れと、ウィリアムズバーグ、ブッシュウィックの延長としてのJ/Mトレインからの流れに大別されますが、何れにしても多くのレンターがエリア外から流入してきており、これが投資目的での購入を下支えしています。

エリアに長く住む住民ではなく、エリア外のテナント層をターゲットにすることで高いレントが期待できるという構造なわけですが、この実感値がないまま不動産ホームページなどでエリアの賃料平均などをチェックするとマーケットを大きく読み違えてしまいます。

まさに立体的な発展プロセスの真っ只中にある2014年のベッドスタイ。怪しげなものも含め様々な情報が錯綜していることも事実なため売買や賃貸には十分な注意が必要ともいえますが、非常にエキサイティングなエリアであるといえます。